Creator Interview with
ルヂア
クリエイターインタビュー
イラストとアニメーションの二刀流を目指して
イラストレーター:ルヂア

—イラストレーターを目指されたキッカケはなんですか?

ルヂア:元々小学校の頃から絵を描くのが好きでした。また、父親がコンシューマーゲームのプロデューサーをしていたので、幼少期からたくさんゲームに触れていたことも大きかったと思います。

—お父様がゲーム開発のお仕事をされていたんですね。

ルヂア:はい。なので家に様々なジャンルのゲームが置いてありましたし、父とはよくゲームの話をしていました。それで私自身も自然にゲーム好きになりまして、よくオリジナルのキャラを考えて過ごすことが多かったです。自分の描いたキャラを見せて、父親に、これ登場させて〜、と言ったり(笑)。

—なんだかほのぼのしますね(笑)。

ルヂア:ただ、その後、家庭の事情で早く仕事に就く必要が出てきまして……。
このため、高校ではその後の就職を優先して、絵とはまったく関係のない進学系の高校に入学しました。

この時代はほんと冬の時代で……。1学年13〜14クラスもある高校だったのに、3学年合わせて美術部員が5名ぐらいしかいない、イラストとはとても縁遠い環境でした。美術の授業自体が無い高校でしたので、顧問も美術とは関係の無い方で、当時は絵の勉強は完全に独学でした。

—その環境で絵を描き続けるのは大変でしたね……。

ルヂア:絵を描くことが好きでしたので、なんとか続けられました。その気持ちは中学高校とずっと消えなくて、やっぱり将来はデザインの仕事がしたいと思い、高校卒業後は専門学校に行くことにしました。そして在学中、描いた絵をpixivなどSNSに投稿していたところ、フリーでお仕事の依頼がちょこちょこと来るようになりました。

—では、それでフリーランスとしてイラストレーターの道に?

ルヂア:それも考えたんですが、まずは企業に就職することにしました。一つは、フリーで依頼を受けていく中で自分の技術不足を痛感することが多かったこと。もう一つは、先生から新卒の時に企業に入っておいた方がいいとアドバイスを受けまして。

—企業所属未経験で、後ほど中途で入ろうと思ってもなかなか入りづらいものですものね。ましてやデザイナー職ともなると……。

ルヂア:はい、先生からも新卒のタイミングならば入りやすいと。

—企業ではやっぱりイラスト制作をされていたんですか?

ルヂア:もちろんイラスト制作もあったんですが、入社した会社がデザイナーという職種のくくりでアニメーションも含めて全部やる会社でしたので、作ったイラストを動かすモーション作成まで一連の作業をしました。

—イラスト制作とはかなり違う業務まで担当されていたんですね。

ルヂア:はい、初めての経験が多かったです。でも元々ゲーム好きで演出やモーションも興味があったので、とても楽しい業務でした。イラストの技術向上という意味でもとてもためになりましたし。

アニメーションを作成しようとすると、どうしても肩や膝を始め、各関節の構造を理解しなければならないので、イラストでもキャラにポージングを取らせる際、その部分がおかしくないか、しっかりと考えられるようになったと思います。

それに、キャラの設定やデザインの細部まで、より深く把握できるようになったと思います。モーションを考えようとすると、そのキャラの特徴をしっかりと理解しておく必要があるんです。剣の振り方1つ取っても、キャラの性格がにじみ出ますし。

なのでキャラ自体をデザインする時も、指示書の設定をしっかりと読み込んで理解し、動いたときに違和感が無いデザインになるよう心がけるようになりました。

—アニメーション制作を経験しているからこその着眼点ですね!
そして企業で技術を向上させて、現在はフリーに?

ルヂア:ほんの半年ほど前からフリーになりました。会社で得た技術で自分がどこまでやれるのか試してみたいと思いまして。

—フリーで働いてみてギャップはありましたか?

ルヂア:ある程度覚悟はしていたんですが、想定していた以上に大変でした。まずは、メールのやり取りに複数案件のスケジュール管理と、制作業務以外のタスクが増えました。そして何よりも……スピード感ですね。

生活を考えると、企業で勤めていたときよりもイラスト1点にかけられる時間がかなり少なくなってしまうんです。クオリティは下げたくないんですが、時間をかけてじっくりと精査していくわけにもいかない。

良い悪いではないんですが、企業ではクオリティを最優先でじっくり制作していたので、この点は大きなギャップでした。なので、ユーザーが喜んでくれるレベルのクオリティを落とさずに、制作スピードを上げる、が現在の課題です。

—企業所属とフリーランスでそんな違いが……。直近の課題は制作スピードを上げる、とのことですが、ゆくゆくはどんなイラストレーターになりたい等ありますか?

ルヂア:イラストとアニメーション両方をしっかり制作できるフリーランスになりたいです。企業でアニメーションも経験していたお陰で、現在少しアニメーション関係のお仕事も来ているんです。現在はspine(※)を勉強中です。
※ゲーム開発用の2Dアニメーション制作ツール

—イラストとアニメーション制作の両方を受けているフリーの方は少ないので、貴重な存在になれそうですね!

ルヂア:そう思ってもらえるように頑張りたいと思います! あとはイラスト側ですと、好きなイラストレーターさんで例えれば、このモチーフといえばこの人! というように多くのユーザーに認知されている方もいます。私は"王道ファンタジーとケモ耳"が好きなので、ゆくゆくはこのジャンルといえばこの人、と思われるようなイラストレーターになりたいです。

それと、コミティアといったイベントにも今後は参加してみたいなと考えています。現在はイベント参加の経験がほぼほぼ無いんですが、今後フリーとして活動していくにあたって、名前を知ってもらうためにも積極的に参加していきたいですね。

—目標がたくさんありますね!

ルヂア:やりたいことはたくさんあります! なので、ほんと制作スピードは上げたいですね!

—最後に、これからイラストレーターを目指す方々に何か一言おねがいします!

ルヂア:イラストを描いているとスランプや環境など色々な事に悩む事も多いと思いますが、"イラストが好き!"という気持ちを忘れずに諦めずに頑張れば、きっと自分の思い描く絵に一歩でも近づけるはずですので、夢にむかって1歩1歩大切に頑張ってください!

—ルヂアさん、ありがとうございました!

ルヂア(るぢあ)
専門学校卒業後、ゲーム会社にて約3年勤務。
デザイナーとして、キャラクターや背景イラスト、武器等のデザイン制作から、flashによるアニメーション制作まで幅広く担当。2018年よりフリーランスになり、イラスト制作を中心に活動中。
その他のクリエイターインタビュー