Creator Interview with
村カルキ
クリエイターインタビュー
自分なりのサイクルを作る 〜村カルキ さん〜
イラストレーター:村カルキ

—クリエイター業界を目指されたキッカケはなんですか?

村カルキさん:一言で言えば「ゲームが好きだから」ですね。
中学高校のときは本当にゲーム廃人で、ひたすらコンシューマーゲームをしていました。
そしてそのままゲームに関わる仕事がしたいと思い、専門学校に入りました。キャラクターも描いてはいましたが、当時は背景メインの絵が好きで背景イラストを沢山かいていましたね。経験を積んでコンシューマーゲームの背景制作に携わりたいと考えていました。

—キャラを描きたくて、という方は多いイメージですが、初めに背景に関わりたくて、という方は珍しいイメージですね!

村カルキさん:好きなゲームをなぜ好きなんだろうと考えていくと、やっぱりその独自の世界観が好きなんです。
ゲームをしている時、好きなフィールドを歩くとワクワクして、嬉しい気持ちになりました。
いつか私もそう思ってもらえるような背景を描きたいと思いました。そしてゲームを沢山プレイするうちに、私も背景に携わりたいと思ったんです。

村カルキさん:ただ、残念ながら第一志望だったコンシューマーゲームの会社には受からなくて、ソーシャルゲームのイラスト会社に就職しました。
会社ではグラフィッカーと背景のお仕事をしていました。
背景のお仕事も頂けて嬉しかったのですが、ソーシャルゲームのカードイラストの背景ですので、残念ながら背景はあまり重きが置かれない分野でした。エフェクトでほとんど潰れて見えなかったりもしますし……。

—ソーシャルゲーム系のイラストでは特にそういうことは多いですね……。

村カルキさん:仕事も忙しく、中々自分の絵を描く時間もとれず、仕事で原画を描きたいと思うようになり、次第にキャラクターも描くようになっていきました。フリーランスになった直後、ソーシャルゲームのイラストコンテストで優秀賞をいただき、それをキッカケに色々な会社様からお仕事をいただけるようになりました。

村カルキさん:初めてのお仕事は、就職する以前より投稿していたスモールエスさんという雑誌の見開きイラストでした。
当時、仕事で自分の絵が中々描けず、また会社のお仕事は実績公開のできないものだったので、雑誌に名前が載ってしっかり公表していただけるお仕事がとても嬉しかったです。
親や友人も喜んでくれました。
それをキッカケにフリーへの転向を考え始めました。

ただ、しばらくは企業への所属を続けました。
企業側としての経験を多く積めたことはとても良かったと思います。

—具体的にはどういった点が現在も役立っていますか?

村カルキさん:学べたことは色々あるのですが、特に大きいのは、スケジュール感覚だと思います。
現在フリーでお仕事をする上で、基本的に実際の納期よりも少し前倒しの納期で組むようにしています。
私が遅れてしまうことで、企業様の時間を圧迫し、最終的に企業様だけではなくユーザーさんに迷惑をかけてしまう事が怖いんです。

企業で背景を担当していたとき、前面に配置するためのキャライラストが上がってこなくて、遅くまで待機、働くことが度々あったので……。
同じ状況にして依頼主を困らせないよう心がけています。

—企業側を実体験しているからこその感覚ですね!

村カルキさん:そうですね。そして、企業側だけでなく、フリーランスとして働く自分側としてもスケジュールをしっかりと組んで進めることは楽ですね。

私、仕事絵だけをずっと一日中描き続けるというのは無理でして……。
一日に少しは、完全自由に表現できる趣味絵の時間が欲しいんです。

村カルキさん:仕事は仕事として、クライアントやユーザーが求めるものは何か、それをどう表現すればいいかを考えて描き、クリアしていくという点ではゲームのような感覚もあって楽しいのですが、自分が好きなものを自由に表現できるというものではありません。

なので、仕事をする時間、趣味絵を描く時間をもう決めてありまして、毎日そのサイクルに沿って生活するようにしています。
これによって仕事絵も趣味絵もダラダラと続けてしまうことがないので、効率も上がっているかなと思います。

—なるほど……!一日のサイクルをきっちりと決めて活動されているんですね。

村カルキさん:はい。これはイラストに限ったことではないので、趣味の時間も含めてスケジュールを組むことは、ぜひみなさまオススメです!

—勉強になります……!
ちなみに趣味絵は自分が好きなものを自由に表現、とのことでしたが、仕事絵の方では、今後五年十年と続けていくにあたりまして、何か目標などはありますか?

村カルキさん:フリーランスになってから、一度も途切れずにお仕事をいただけている事は本当にありがたいです。現状維持では終わらず、5年10年後はもっと仕事の幅を広げたいと考えています。

そして、やっぱり元々コンシューマーゲームで育ったので、コンシューマータイトルの背景やキャラデザイン、他にはジャケットの表紙、そういうお仕事もいただけるように精進していきたいと思います。
今後も様々なお仕事を受けていき、少しずつ仕事幅を広げていきたいな、と思います。

—最後に、これからイラストレーターを目指す方々に何か一言おねがいします!

村カルキさん:イラストを仕事にするなら、頭は固くせず色々な作品に触れて欲しいです。
パッと見では興味を引かれない作品も、見てみたら面白いかもしれないですし。特に流行り物はなぜ流行っているかを考えながら見てみると良いかなと思います。引き出しが多くて困るということは絶対にないので、新しいものを吸収しようという意欲は常に持っていて下さい!

 

村カルキ
ソーシャルゲームのイラスト制作会社でグラフィッカーや背景を経験した後フリーランスに転向。
■シャバの「普通」は難しい/中村颯希先生著/KADOKAWAエンターブレイン
■emeth-人形遣いの島(海外版)/月島総記先生著/Cross Infinite World
■塗り辞典BOYS/NextCreator編集部
■PSO2es/株式会社セガ
その他のクリエイターインタビュー