Creator Interview with
竹花ノート
クリエイターインタビュー
手に職を持つということ。
イラストレーター:竹花ノート

—イラストレーターを目指されたキッカケはなんですか?

竹花ノート:一言で言えば手に職を持とうと思った際に「イラスト」を選んだから、ですね。元々、電気工学系の大学に入っており、現在とは全く違う路線を学んでいました。まわりでゲームやライトノベルが好きな友人が多く、自分もゲーム関係の仕事に関わりたいと思い学んでいたのですが、プログラムはあまり肌に合わず……。その中でイラストはどうかと思い、独学で学び始めました。

描き始めると意外と自分の性分に合っていたようでして、悩みはしたんですが最終的に専門学校に進んでより本格的に学ぶことにしました。

—大学在学中にイラストを学び始めたというと、成人されてからイラストレーターを目指されたということですか?

竹花ノート:ちゃんとイラストを描き始めたのは21歳になる直前くらいですね。他のイラストレーターの方よりもすこし遅めのスタートかなと思います。それまでも絵なんて美術の授業くらいでしか描いたことがなかったので……。そういう点でかなり不安もあったのですが、ありがたいことに専門学校在学中から数点のお仕事の依頼を頂けたので、卒業後は本格的にイラスト1本でいくことを決心できました。

竹花ノートさんの専門学校時代のイラスト

—現在は1日あたり大体どれぐらいの時間イラストを描いているのですか?

竹花ノート:平均では12時間ぐらい。長い日は大体16時間ぐらいですね。これはペンを握っている時間で、他の時間もデザインなど考えている時間が多いですから、寝食以外はほぼほぼ仕事に紐づいた時間かもしれません。

—デザインを考えている時間を含まず、12時間……!朝から晩までお仕事漬けですね。

竹花ノート:晩から朝まで、ということもあります(笑)。完全フリーランスというわけではなく会社に所属しているのですが、納期が決まっている以外はある程度自由に進行していいシステムなので、基本的に在宅で仕事をしています。それもあって、生活リズムは結構乱れてしまっていますね。

—それだけお仕事時間が長いとあまり家から出る機会も少なそうですね。

竹花ノート:かなり少ないですね。基本的にネットで全て済ませられますし。少し前に引っ越しまして、家具を揃える関係で外に出ることもありましたが、現在はほぼほぼ揃い終えたのでまた外出する機会が減ってきました。

あと外に出るのは、友人に会うときか、茶葉かコーヒー豆を買いに行くときぐらいですね。自分は紅茶やコーヒーが好きで、葉やコーヒー豆から作るんです。最近、サイフォンも購入しました。

普段使用されているコーヒー器具。本格的です!

竹花ノート:先ほど寝食以外は仕事にほとんど紐づいた時間、と言いましたが、コーヒー豆をミルで削っているときが数少ない、一息吐く時間かもしれません。そういうときもデザインなど考えるようにはしていますが。

—本当に1日のほとんどがお仕事と関係している時間ですね……!

竹花ノート:将来的にどうかはわかりませんが、現状はプライベートの時間を欲しいとは思っていないです。イラストの練習を始めたのが人より遅い分、まだまだ寄り道している時間は無いので。なので現状は、家も仕事道具と寝る場所……あとは紅茶とコーヒーがあれば満足です(笑)。

—驚くほどストイック……!始めにイラストが性分に合ったと仰っていましたが、よほど好きでないと続けられませんね。

竹花ノート:好き……とは少し違うかもしれません。自分の場合はストイックにならざるを得なかった、というのが大きいかもしれません。もちろんスムーズに作業が進められた際や、良いデザインが作成できたときは嬉しいですが。あまり詳しくはお話できないのですが、家庭の事情である時から自分で稼ぐ必要が出まして……。

奨学金の返済も含めて家賃や生活費もすべて自力で稼がなければならなかったので、とにかく仕事に全力を注ぐ必要があったんです。現在はある程度安定してきましたが、イラストは流行り廃りの波が大きいですから、少しでも歩みを止めたら仕事がもらえなくなってしまうかもしれない。その可能性を考えると、やっぱり起きている間はずっとイラストのことを考えていますね。

—常に仕事としてイラスト制作を捉えているんですね。

竹花ノート:はい、そうするようにしています。絵柄もいろいろ挑戦することに抵抗もないですし、やはり売れてくれないと生活できなくなってしまいますからね。

流行を明確に把握できる人はなかなかいないと思います。自分もわからないのですが、少しでも理解しようという努力はするようにしています。

—その中で、今後はどうしていきたいといった目標はありますか?

竹花ノート:仕事で「やってみたい」ことはたくさんあります。いつか自分がデザインを担当した作品がアニメ化して欲しいですし、有名タイトルに携わったり、新しいタイトルのメインを担当したり。

でも、それらにはやはりネームバリューが必要な場合が多いんですね。なのでまずは自分の存在をもっと知ってもらえるよう、営業活動にもっと力を入れたいですね。最近イベントに出る機会が多くなかったので、今後は積極的に参加していきたいです。

—それでは最後に、これからイラストレーターを目指す方々に何か一言をおねがいします!

竹花ノート:夢を叶えたいなら、やらず嫌いをせず何でも経験してみると良いと思います。自分はイラストを学び始めた初期、上手い人を真似るのは負けだと思って、真似ずに練習を続けてしまっていた時期がありました。でも、いまはもっとプロのイラストを真似てみるべきだったと後悔しています。プロの絵を真似てみて、どこが良いのか理解していけば、もっとずっと早くイラストが上達できたはずです。もちろん一人を真似たら模倣で終わってしまいますが、様々な人の絵や写真等の良いと思う部分を取り込んでいけば、その中で自分に残っていったものが自分の絵柄になっていくと思います。

そしてこれは、イラストの練習に限った話ではないと思います。才能でも、営業(アピール)能力でも、コネでも、どれだって夢を叶えるための手段です。やらなかった後悔は一生残ってしまうと思うので、後悔しないように自分が持っている武器は全部使い、何でもチャレンジしてみて下さい。

—竹花ノートさん、ありがとうございました!

竹花ノート(たけはなのーと)
イラストとは無関係の大学に入学後、一念発起しイラストレーターを志し専門学校へ。専門学校在学中から仕事の受注を始め、現在は主にソーシャルゲーム・ライトノベルのイラスト制作を中心に活動中。
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