Creator Interview with
てつぶた
クリエイターインタビュー
好きなことを続けるには 〜てつぶたさん〜
イラストレーター:てつぶた

—イラストレーターを目指されたキッカケはなんですか?

てつぶたさん:お仕事としては最初はイラストではなくアニメ関係の、主に仕上げ(※)を担当していました。その中で機会があってソーシャルゲーム関係の依頼を受けたことがありまして、それをキッカケにフリーのイラストレーターに転向しました。

※仕上げ:動画データに色を塗り、絵として仕上げる業務

—初めはアニメ関係のお仕事をされていたのですね。元々はアニメのお仕事の方に興味があったのですか?

てつぶたさん:もちろんアニメにも興味はあったのですが、学生の頃に一番興味があったのはゲームです。小学校から高校までアナログでずっと絵を描いていたのですが、その後、就職の際にそれでも入れるお仕事は無いかなと探していたら……いつの間にかアニメ業界の仕上げ部門に所属していました(笑)。

先ほど機会があってとお伝えしましたが、イラストに関しては本当に偶然で、趣味の絵をpixivにUPしていたらお声がけを頂いた形です。そしてある程度依頼を頂けそうだな、となった段階で退職してフリーに転向しました。

 

—フリーに転向するのはかなり勇気がいることだったのでは?

てつぶたさん:むしろ勤めている時よりも収入が上がって、生活が安定したので嬉しかったですね。ちょうど転向したのがグリーモバゲー時代と言われるソシャゲバブルな時代だったこともありますが、かなりアニメの仕上げの仕事は薄給だったので……。単純に作業時間と報酬の割合を考えると、勤めていたときよりは楽になりましたし。そしてそのままフリーを続けて、現在に至っています。

—元々企業で働かれていたということは、お仕事は基本朝型ですか?

てつぶたさん:どちらかというと夜型になってしまってますね。ただ、朝型夜型というよりは、単純に睡眠時間が少なめかもしれません。大体朝の10時頃に起きて作業を開始。ずっと作業だと集中力が続かないので、たまに気分転換で趣味絵を描いて、また作業に戻って……と、気付いたら早朝の5〜6時ぐらいになっていて、そこで就寝することが多いです。

—ほぼ1日、絵のお時間なのですね!

てつぶたさん:あ、でも週に1日はなるべく完全に休む日を作るようにしています。普段の睡眠時間が短いこともあってか、その日はガッツリと寝てしまいますね(笑)。とはいえ、他の日は確かにほとんどの時間、ペンを握っています。

その他の気分転換としてペットのウサギと遊ぶこともあるんですが、ウサギも室内で飼っているので家から出ることはほとんどありませんね。これは仕事と趣味が上手く棲み分けできていて、両方楽しくやれていることが大きいのかな、と思います。

 

てつぶたさん:私は趣味の絵は二次創作がほとんどなんです。なのでキャラをデザインするのは仕事絵の方が多くて。このため仕事と趣味絵で描く内容が大きく違っているので、同じ絵を描くにしても1日中ずっと飽きずに続けられるのかな、と。

それに良いクライアントに恵まれたのか、仕事でも楽しくやり取りできる窓口が多いのもありがたいです。フリーに転向した時期がソシャゲバブルで飛び込みやすかったことも含め、このあたり私はとても運が良かったと思います。

—現在はソーシャルゲーム以外にも書籍のイラストなど数多くご担当されておりますが、同じイラストでもソーシャルゲームとは勝手が異なる部分などはございますか?

てつぶたさん:依頼に沿ってキャラのデザイン・イラストを制作という点ではソーシャルゲームと同じですが、表紙の場合は制作段階ではまだ作品のロゴデザインが確定していないこともあります。

仮のロゴで配置やサイズを想定して、空間の空きを作りつつ制作する必要があるといった点が少し大変ですね。ただ、考えたデザインのキャラで様々な場面の挿絵を描くことになるので、ソーシャルゲームのイラストとはまた違うやりがいがあります。

—そのような違いがあるんですね! 今後はさらにお仕事の幅を広げていく予定ですか?

てつぶたさん:できればそうしたいと考えています。今後も続けていくことを見据えると引き受けられる幅が広いに越したことはないので。

一つには、最近3D関係のソフトを勉強したいなと考えています。イラストで背景や武器が必要なことも多いのですが、複雑なものになるとなかなか描くのが大変で……。なるべく崩れないよう、3Dで基礎を作ってから作るようにしたいと考えています。

あとは英語ですね。ありがたいことに、海外の方からもイラストのご相談を頂くことが最近増えてきているのですが、機械翻訳だとどうしても意思疎通に限界が……(笑)。もっとちゃんとやり取りが出来るよう、英語の勉強は現在急務ですね。

 

—最後に、これからイラストレーターを目指す方々に何か一言おねがいします!

てつぶたさん:どんなお仕事にも言えることなのですが、健康には常に気を配るようにしてください。特にフリーランスの場合、体調を崩してお仕事ができない期間=新たな収入が得られない期間となってしまいますので本当に死活問題になります。

イラストレーターというお仕事はずっと席に座らざるを得ないお仕事です。イラストの技術も大切ですが、長年続けようと考えたら、大前提として身体を壊さないように皆さんも気を付けて下さい。

—てつぶたさん、ありがとうございました!

 

てつぶた
石川県在住。アニメ会社にて仕上げ業務に従事した後、フリーランスのイラストレーターに転向。艶やかで美麗な塗りが特徴で、ソーシャルゲーム、ライトノベルの挿絵を中心に数多くのタイトルで活躍中。
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